もう20年ほども前の話ですが、ニューヨークの<自然史博物館>で上映されていたドキュメンタリー映画<To The Limit>を見たときの感動は今も忘れません。
様々なアスリートを淡々とフィルムで撮影しているドミュメンタリー・オムニバス映画なのですが、例えば、大きな吊り橋の橋脚から真下向きに固定カメラで撮っているFIX画面、上下に片側5車線ほどの道路が延びています。
車は通っておらず、道路の左右に広がる水面の波で写真ではない事が分かります。
何だろう?と思っていると画面下から豆粒ほどの人間が走り込んできます。
やや遅れてまたひとりまたひとり...あっという間に道路いっぱいにランナーが溢れます。
サンフランシスコ・シティ・マラソンをゴールデンブリッジから撮影した1カットなのですが、不思議な感動に鳥肌が立ちました。
場面が変わると地面から数百メートル、ほぼ垂直に切り立った岩肌にしがみつく、ロック・クライマーがカメラに向かって微笑んでいます。
指先にマグネシウムをまぶしながら岩のわずかなしわに第一関節をかけ、全体重を持ち上げていきます。
しっかりと呼吸をし、リズミカルにしなやかに登っていく様はまさに芸術です。
しかしもっと驚くのはその撮影方法。
カメラマンも同じようにクライミングしながら、肩口に固定したカメラで被写体を常に捉えているのです。
人間って凄いって感動したドキュメンタリー映画です。
製作費70億円をかけ、最新の撮影技術でもって469時間36分にも及ぶ収録素材の0.35%のみを1時間40分に編集した海洋生物映画<オーシャンズ>が公開されました。
自然界の厳しさや進化の素晴しさ、環境保護やエコに対する意識にも好影響を与えてくれるような気がします。
是非、映画館で見ようと思っています。
子ども¥500-も良いシステムですね。